マタイ14：22～36 イザヤ30：8～17
ガリラヤ湖は、しばしば激しい風と波で大荒れになる事があるそうです。弟子たちが嵐の湖で奮闘している時、イエス様はただ一人、山で祈り続けていたとあります。そして明け方、イエス様は湖の上を歩いて弟子たちの舟に近づきました。夜明け前ですから最も深い暗闇の中です。弟子たちは幽霊だ、なんだと騒ぎ立て、大声を上げます。しかし、イエス様から呼びかけられると、彼らは、イエス様が来てくださったことに大いに慰められるのです。私たちもそうです、イエス様がこの舟に乗っていない時に嵐に合い、どうしたらよいのか悩んでいる時に、イエス様が現れ、イエス様が近づいてくださることを知るならば、それが一番私たちに安心をもたらしてくださいます。そんな中、ペトロが言い出します。私に命じて、湖を歩いてあなたのところへ行かせてください、と。ペトロの願いはとても無謀な願いです。しかしイエス様はそれを拒否されませんでした。来なさい、とペトロを迎えてくださるように招いてくださいます。イエス様の許しを得て、舟から湖へ１歩、そしてもう１歩。その時激しい風が吹いて、嵐の中の湖、暗闇の中の小舟、そして自分を見た時、ペトロの体は瞬く間に水に沈み始めます。イエス様の手が助けてくださらなければ、暗い水底に沈んでいたところでしょう。イエス様は強いて弟子たちを舟に乗せて出発させました。嵐の湖を越えて対岸へ行くためには、舟に乗って超えるしかありません。泳いでも、歩いても渡れません。嵐の湖を越えなければならないから、弟子たちは舟に乗せられたのです。嵐の湖は、人間世界の苦しみや憎しみを表しているのではないでしょうか。私たち信仰者たちの人生の歩みに求められているのは、信仰者たちが乗せられている舟、神の教会が進む中で求められているのは、最終的にはすべてを神様に委ねられるかどうかです。神様を信じて行けるかどうかなのです。私たちは自分たちの力で何とか嵐を乗り越えようと努力します。それも必要なことでしょうが、最後の最後まで、神様を信じて、すべてを委ねることなのです。
