2024年1月21日 朝礼拝『言いつける通りにしてください』大賀幸一牧師

出エジプト記 33章12-23節 ヨハネによる福音書 2章1-11節

  今日のヨハネ福音書に記されているイエス様とマリアさんの関係も微妙なものがあったのではと思わされるものがあります。マリアさんの突然の問いかけに対するイエス様の応答は、ちょっと冷たいものがあります。イエス様はいよいよ神様に示された救い主キリストとしての歩みを始めたところです。家族のためよりも、世界のために歩み始めたイエス様です。でも、それでも母マリアさんの願いを無視することはイエス様にはできないのです。マリアさんもイエス様が何か言いつけることがあったら、その通りにしてください、と召使たちに求めています。何か、イエス様が何かしてくださることをマリアさんは知っているのです。イエス様もオカンの言うことを無視する訳にはいきません。少々無理な願いであっても、イエス様はオカンの願いに応えたいと思ってくださるのです。イエス様は十字架に掛けられている時もオカンのことを心配していました。それはイエス様にとってもオカンは大切な存在だからです。ではマリアさん以外をイエス様は冷たくあしらわれたでしょうか。私たちの救い主イエス・キリストは、病苦に苦しむ人々を憐れみ、求めることには応えて、遂にはご自分のすべてを人間世界のために費やされました。ご自分のすべてを捨てて、人間世界を愛されたのは間違いのないことです。マリアさんも私たち人間を神様と結び合わせてくださいますが、イエス様も私たちの願いを、思いを、祈りを神様と結び合わせてくださいます。水が葡萄酒に変る。とても不思議なことです。イエス様は、私たちが自分たちで水瓶に水をいっぱい入れるように、求めます。水が葡萄酒に変る、それは、神様がなさっておられる救いの御業そのものなのです。イエス様と共に歩み始めた弟子たちはこの出来事を知ってイエス様を信じたと言います。実はまだ本物ではありません。イエス様の十字架と復活の出来事を示されて遂に私たちはイエス様を信じるものとなって行くのです。