2023年10月1日 朝礼拝『世の貧しい人を選んで富ませ』大賀幸一牧師

アモス書 6章1-7節 ヤコブの手紙 2章1-9節

  ルカ福音書は、貧しい人々は幸いである、とイエス様の福音を示しています。神の国はあなたがたのものである、と。ここでいう貧しい人々とは、生活に困窮している人々、貧困にあえいでいる人々です。イエス様は、貧困の中に生まれ、生きられました。福音は、貧しい人々に受け止められました。神の教会は、貧しい人々の中に建てられました。しかしイエス様は、福音は、貧困の中にある人々を金持ちにする訳ではありません。逆に世の富は、神様の敵であることが明らかにされています。神と富とにその両方に兼ねて仕えることはできない、と教えられています。この世の富を目指し、求める者は、やはりいつしか神様からその心が離れてしまうのです。教会もこの世の富に心を奪われるなら、その使命を失い、貧しい人々を差別し、イエス・キリストの教会でなくなってしまうのです。貧しい人々は幸いである。これをマタイ福音書は、心の貧しさ、としました。生活の貧しさ、貧困ではなく、精神的貧しさ、弱さ、霊的貧しさと捉えました。それも間違いではありません。しかし、ヤコブ書が今日示しているのは、ルカ福音書が示す、貧しい人々です。イエス様は、そんな貧困の中にある人々を祝福し、今ある貧困、苦しみからあなたがたは解放され、この世の富ではなく、神様の与える豊かな財産、富を相続するものとなる、としました。イエス様は、この世界の貧しさの中に生まれました。福音も貧しい人々に受け止められました。教会も貧しい人々と共に生きるために建てられています。神の教会は、これからも人間世界のあらゆる貧困の中に建てられて行くと言えます。少なくとも、貧しい人々が分け隔てされることはありません。それはイエス様が建てた教会ではありません。神様が求めておられるのは、貧しい人々も持っている人々も共に持ち寄り、分かち合って行く神の教会がこれからも建てられて行きますように。神様の御心に適った教会が建てられるよう、神様に聞き従って行きましょう。