出エジプト記34：29-35 ルカによる福音書9：28-36
ルカ福音書9：32に、“エルサレムで遂げようとしておられる最後について”とあり、イエス様がモーセ、エリヤと語り合っている場面が登場しております。この最後、と訳されている言葉、エクソドス、という言葉です。出エジプト記を表す場合もありますが、終幕、終曲、とも訳され、演劇や舞台の終幕、フィナーレを表しているのです。イエス様が人間として生きられた人生の終幕について、３人は語り合いました。イエス様の場合には、弟子たちにも証したように、ユダヤの人々に捨てられ、十字架にかけられて殺され、そして３日後に復活する、ということです。ただ死ぬことだけを意味しているのではありません。イエス様はその終幕において、大いに生きられました。ご自分の命だけでなく、あらゆる人と共に、あらゆる人の命となるべくその輝きを表してくださったのです。人生の終幕とは、どのように死んだかではなく、どのように生きたのかを表すものです。ペトロたちは雲に包まれて行き、神様の御声を聞きます。これは私の子、選ばれた者、これに聞け、と。マルコ福音書は、９章で同じ出来事を伝える中、これは私の愛する子、これに聞け、と伝えています。ルカ福音書は、微妙な違いですが、神様の御声として、イエス様がご自分の子であると。そして、イエス様が神様に選ばれた方であることを伝えています。そして、神様は、私たちが聞くべき方は、この方、イエス様であることを明らかにしています。 雲が消え去り、神様の御声も遠ざかりました。しかし、そこにただ一人、イエス様だけがおられます。イエス様は、私たちのために人間としてこの世界に生まれ、そして死なれました。そして復活されるのです。私たちの生きているこの世界に私たちを教え導き、私たちと共にあるためにイエス様はおられるのです。死んでも復活して私たちと共におられる。それが私たちの救い主イエス様です。