2019年2月3日 朝礼拝 『新しい服と古い葡萄酒』大賀幸一牧師

エレミヤ13:1-11、ルカ福音書5:33-39

1)あなたたちは断食しないのですか 
 イエス様は、批判的な人々から、ヨハネの弟子たちは実に熱心に断食して祈っていますよ、それなのにあなたたちはどうしてヨハネの弟子たちの様にしないのですか、と意地悪な質問をされています。ではこの質問した人々は断食し祈っているのでしょうか?この人々は、ヨハネの弟子達を讃えているのでもありません。ヨハネの弟子達には、逆に狂気だとか、悪霊に取りつかれているなどと否定してもいるのです。私たちは自分の尺度でしか物事を測れない者です。イエス様は、今花婿が一緒にいるのだから、断食などできようか、とおっしゃられました。しかし、その花婿が取り去られる時、彼らも断食する時が来ると、無理やり何かを押し付けようとする人々に、わたしたちには与えられた時があることをお示しになられました。

2)エレミヤの腰帯 
 預言者エレミヤは、ユダ王国後期から滅亡期に活躍した預言者です。ある時神様がエレミヤに新しい腰帯を買いなさいと命令されました。その腰帯を使用していたところ、神様は腰帯を外して、遥か遠くユーフラテス川へ行き、その帯を岩の裂け目に隠して来なさいと命じられたのです。さらに再び岩の裂け目に隠された帯を取りに行かされたのですが、帯は腐食し、役に立たないものになっていた、と記されています。この出来事に対して、神様は、「神の民は悪い民となり、わたしたに聞き従う事を拒み、かたくなな心のままにふるまっている」と言われています。エレミヤが帯を腰に締めていたように、神様は神の民を肌身はなさず身に着けて、愛し、守り、導いてくださったのに、エレミヤが見つけ出した帯の様に、役に立たないものになってしまっていたのです。神様の御言葉に聴き従うことが無かったからです。エレミヤが帯を隠しに行くユーフラテス川という有名な川があるのですが、エレミヤが生活しているエルサレムからは1000km以上離れています。本当にそんなところまでエレミヤは行ったのか疑われています。『聖書協会共同訳聖書』の注に、ユーフラテス川とされている言葉が、“ペレト”というヘブライ語であると表示されています。しかし、エレミヤがわざわざ何度も1000km以上も離れたところを行ったり来たりするだろうか、というので、ユーフラテス川ではなく、もっと近くの川ではないかという意見があります。しかし逆にエレミヤはユーフラテス川まで何度も往復したとも考えられます。1000kmという距離です。遠い岩陰に放り出されれば、役に立たないものなってしまうでしょう。もちろん神様がそれを望んだのではありません。神様は肌身離さず身に着けていたのです。神の民は、エレミヤの腰帯は、遥か1000km離れたユーフラテス川の岩陰にあるのです。それがどんなに異常な状態か、分かるではありませんか。神様の嘆きが分かるではありませんか。あんなに大事に愛していたのに、遥か遠くに離れ去り、腐り、役に立たないものになってしまったという神の民への激しい怒りと悲しみがあるのです。

3)わたしの言葉に聴き従いなさい 
 私たちも何度も神様の御言葉を聞いて来ました。しかし、神様はおっしゃるのです。私の言葉に聴き従わなかった、と。私たちはいったい何を聞いて来たのでしょうか。神様の御言葉は私たちを生かすために語られています。私たちを守るために語られています。私たちを養うために語られているのです。神様の御言葉に対して、もう一度心を開いて、御言葉の恵みに聞き従いましょう。