2018年2月25日 『あんたは偉い!よくやった』 渡辺 圭一郎 牧師

創世記1章26-27  マルコによる福音書12章13-17
1.生きるとは偉大なこと                          
作家五木寛之さんの著書『生きるヒント』の中に「1本のライ麦の話」が出て来ます。そこには一粒のライ麦が数十日の間に1万1200キロメートルもの根を生やしていたという報告が記されています。一本のライ麦でさえ命を支えるために、それだけの根を張りめぐらして生きています。その何百倍何千倍もある人間は、もっと大変なはずです。私たちの「生」も、それだけで素晴らしいという視点があっても良いのではないでしょうか。

2.自分を愛するように                            
今日のマルコによる福音書12章13節以下は、引き続き行われる論争の場面です。マルコ福音書では、この論争に終止符を打つのが、イエス様の大切な掟「神を愛しなさい」と「隣人を自分のように愛しなさい」の教えです。「隣人を自分のように愛しなさい」という掟は、まず「自分を愛する」といことが大前提となっています。真の意味で「自分を愛する」ことの大切さを、この論争の場面からも学びたいと思います。
 
3.皇帝への税金                              
彼らは来てイエス様に「皇帝に税金を納めるのは、律法に適っているでしょうか、適っていないでしょうか」(14)と論争をしかけます。イエス様の方が尋ね返されまして「これは、だれの肖像と銘か」(16)と聞かれ彼らが「皇帝のものです」(16)と言いますと、イエス様は「皇帝のものは皇帝に、神のものは神に返しなさい」(17)とお答えになられます。旧約聖書創世記「神はご自分にかたどって人を創造された」(創世記1章27節)にありますように、人の真の所有者は神であると主は教えています。