2017年2月12日 朝礼拝 『廃止ではなく、完成する』大賀幸一牧師

イザヤ30:18-21、マタイ5:17-20
1) 異常気象は終末の徴 
 昨年は日本でも沢山の地震があり、台風、風水害が頻発しました。昨年12月にアメリカで電話アンケートがあり、異常気象をどう思うかと聞いたそうです。3割の人たちがこの異常気象は終末の徴だと答えたそうです。イエス様はご自分の使命を、廃止するためではなく、完成するために来たのだとおっしゃっています。神様が人間と結んだ古い契約を捨てて、全く新しい契約を人間との間に神様は結ぶためにイエス様が来られたのではないというのです。わたしは以前自動車保険を更新することを忘れて1年間放置してしまったために、それまで継続して来た特典を全て失うという経験があります。契約は長い間継続され、受け継がれて行くものがあります。神様と人間との間に結ばれている契約も同じです。すべてのものが未来へと受け継がれて行く、それが神様と人間の間に結ばれている契約ではないでしょうか。

2)旧約の神と新約の神 
 旧約聖書と新約聖書、これはもちろんキリスト教側からの呼び方です。新しい契約は、古い契約を破棄した上で、全く新しい契約が結ばれたと考えるべきでしょうか。イエス様の御言葉に従うなら、イエス様が与える新しい契約とは、古い契約を完成させるためのもので、古い契約を満たし、新しい契約によって完成させられるものなのです。イエス様をお遣わしくださった神様と旧約聖書に登場する神様とは別な神様だと考える方もまだ少なくないようです。しかしそれは間違いです。イエス様がおっしゃっています。廃止するためではなく、完成するためである、と。古きものを受け継ぎ、それを満たして、完成させるのです。古いものはもういらない、という事では全くなく、間違いが多かったからもう無用であるという事も全くなく、それでも神様はイエス様を通して、廃止ではなく、完成へとわたしたちを導いているのです。

3)天地が過ぎ去るまで、
 律法の一点一画も過ぎ去らない  冒頭の話し、現在アメリカ人の3割が、異常気象を終末だと感じている、とのお話です。神様に背いた人間の時代や世界が終焉を迎え、全く新しい神様と人間との世界が始まる、これが終末の定義でもあります。しかし人々の中には、天変地異のような恐ろしいことが起こって、それまでの世界が破滅し、全く違う新しい世界が始まると考える人も少なくないようです。しかしこれはイエス様の御言葉に反しています。天地が消え失せるまで、とありますが、過ぎ去る、というのが本来の意味です。律法の一点一画も消え去らない、のではなく、過ぎ去らないのです。消滅でも滅亡でもなく、只その時を終えて過ぎ去って行くのです。神様が与えた者は決して消滅しないのです。神様が与えたものは永遠に受け継がれて行くのです。律法も契約も洗礼も人間も世界もです。受け継がれていって、完成へと導かれて行く、それが神様の御業だと教えておられるのです。今日のイザヤ書にありますように、あなたたちの道は、背後から語られる言葉を聞きます。見えることはないが、私たちの背後から、私たちを導く声が聞こえてきます。私たちを廃止せずに完成させるための御言葉が。すべて主を信じ、主を待ち望む者は幸いです。