出エジプト記13:17-22、エフェソ5:11-20
1)ペリシテ街道
出エジプト記13章を読んでいただきました。モーセに率いられた神の民がまだ葦の海を渡る前のお話です。神様はここで不思議な話をしています。実は神の民は葦の海を渡らなくても良かったのだ、と言っているのです。神の民がいたエジプトからカナン、パレスチナへの道は幾つかあります。その一つが葦の海を渡るというコースですが、普段は誰も通らないのです。最も近いのがペリシテ街道です。地中海沿岸を通るコースです。これが最も近く、徒歩で1,2週間です。ところが神様は神の民たちを見て、この最短コースを与えなかったのです。最も時間のかかる荒野の道というコースを神の民たちに与えたのです。その結果エジプトを脱出した最初の世代は皆荒野で生涯を閉じてしまわれ、カナンの土地に辿り着いたのは第2世代、第3世代になってからです。皆さんはどうですか、最短コースが良いか、40年コースが良いかどちらを望まれますか?最短コースは早いけども危険もあります。40年コースは比較的安全ですが、何せ長い時間を越えて行く忍耐が必要なのです。神様は神の民たちに40年コースを行かせられました。安全な道を、戦いの道ではない道を、戦う事を知らない神の民に神様は戦いを強いることは出来なかったのです。神様の愛と恵みに支えられて行く道です。神様の愛と恵みによらないと荒野では生きて行けないからです。
2)時を良く用いなさい
エフェソの信徒への手紙を読みました。暗闇の業に加担するよりはそれを明るみにしましょう。神様の御前にすべてを報告し、神様に全て委ねましょう、ということです。何でも自分で判断が付かないのなら、神様に報告し、神様に祈り、神様に委ねててください、神様があなたを導くことを信じなさい、という事です。私たち人間はどうしても自分自身の力ではどうにも出来ないことに必ずぶつかります。最後私たちは誰もが神様に全てを全てを委ねなければならないのです。遅かれ早かれ、必ずそういう時があります。そんな時神様に報告し、祈り、神様に委ねてください。
16節に時を良く用いなさい、と教えられています。何故なら今は悪い時代なのですから。悪い時代というのは、時代の流れが悪いという意味ではありません。私たち人間が生きている、作っている人間の時代が悪いもの、まがい物だと言っているのです。神様が本来人間のために創造した世界でも時代でもなく、まがい物なのです。人間たちが作り上げたのは、神様の造られたものに似せて作られたまがいものなので、よく出来ているのですが、結局はまがい物、偽物なのです。人間を幸福にはしえないのです。遂には破滅があるだけなのです。核兵器という存在が人間世界が破滅に近づいていることを象徴しています。しかしキリスト教会は核兵器が作られるはるか昔から人間世界がまがい物で、いつか破滅することを語り続けて来ました。もちろん人間世界を破滅させたいから言っているのではなく、再生し、新しくなることを求めて言っているのです。そんな人間の生きている世界、時代は、本来のものではなく、まがい物ですから、あなた方が生きている時代を大事にしてください。まがい物が生み出すものに惑わされず、本来人間が求めるべきものを見失ってはなりません、と教えています。この様なまがい物のある時代を生きている私たちが、命を失わずに、永遠の命を求めて生きて行くためには、神様の霊を受けて、導かれることが大切です。霊的な歌を歌いましょう。神様を讃える歌は私たちの世界に真実の道を開く力があります。そして何よりも神様の愛と御言葉がいつもわたしたちを導き養います。荒野の日々、生きて行くために必要なのは、神様です。そして神様を信じることです。